インフルエンザシーズンに向けて:感染対策と予防
- 2024年9月7日
- 感染症あれこれ
9月に入り、すでに川崎市でもインフルエンザ感染が報告され、一部の地域では学級閉鎖もみられています。
2023年は10-11月に感染流行がみられました。今年も早期から感染が拡大する可能性があり、早めにワクチンを接種し予防に努めることが重要です。
① インフルエンザとは?
インフルエンザはインフルエンザウイルスによって引き起こされる気道感染症です。
ウイルスの型はA、B、C、Dの4種類に分類されます。C型はほとんどの大人が免疫を持ち、乳幼児にかかりやすいですが、軽症で済むことが多いです。D型は牛や豚に感染するウイルスで、人には感染しません。
季節性のインフルエンザとして流行するのは主にA型とB型です。A型はH1N1とH3N2の2種類があり、変異しやすいため毎年流行します。B型にも2種類あり、理論的には4回感染する可能性があります。
② インフルエンザの症状は?
インフルエンザの症状は、突然の高熱、悪寒、倦怠感、筋肉痛から始まり、その後に咳や鼻水といった風邪のような症状が続きます。
これらの症状はコロナウイルス感染症と似ているため、区別がつきにくいことがあります。初めてインフルエンザにかかると、二峰性発熱(半日から1日で一度熱が下がり、再び発熱する)になることがあります。
インフルエンザの合併症
乳幼児では熱性けいれん、中耳炎、クループ、インフルエンザ脳症に注意が必要です。クループは、犬のような咳やオットセイのような咳が特徴で、呼吸困難を引き起こすことがあります。
インフルエンザの注意点
インフルエンザで高熱が出た場合、アセトアミノフェンを含む解熱剤(例:カロナール、アンヒバ坐薬)を使用するのが推奨されます。ロキソニンの内服はインフルエンザ脳症のリスクを高める可能性があるため、避けてください。
③ ワクチン接種の重要性
インフルエンザワクチン接種は、インフルエンザの発症予防や重症化防止に効果があります。特に乳幼児や高齢者は重症化しやすいため、予防接種が重要です。
乳幼児はインフルエンザ脳症になるリスクがあり、高齢者は肺炎などの合併症のリスクがあります。家族や友人に感染を広げないためにも、予防接種を受けましょう。
インフルエンザ脳症
乳幼児に多く見られるインフルエンザ脳症は、発熱から6時間~1日以内に発症します。
抗インフルエンザ薬を使用しても、脳症の発症を防ぐことは難しく、生命に関わることがあります。意識障害やけいれんに注意が必要です。
④ インフルエンザに感染後、ワクチン接種は必要?
インフルエンザは毎年異なる型が流行するため、ワクチン接種により他の型の感染を予防することができます。インフルエンザウイルスはA型(H1N1、H3N2)とB型(山形系統、ビクトリア系統)の4種類で、複数の型が流行することがあります。過去に感染した型以外の型に対する予防が可能になります。
⑤ ワクチンの接種時期は?
ワクチン接種後、抗体ができるまで約2週間かかります。そのため、流行が始まる前の10月頃~11月に接種するのが効果的です。
今年は、従来の注射型のワクチンに加え、点鼻型のワクチン(フルミスト)も国内販売されました。フルミストは1回の投与で済み、注射が苦手なお子さんも負担が少なく接種できるメリットがあります。
★フルミストの詳細は以下のブログをご覧ください★
当院のインフルエンザ予防接種について
・フルミストも取り扱っております。9/30(月)~10/5(土)の期間限定で接種します。
・10-12月の土曜日15:00-17:00はインフルエンザワクチン専用時間帯(注射のみ)ですので、どうぞご利用ください。
・受診前にWeb問診と事前決済を行っていただくことで、当日はクリニック内で長時間待つことなくスムーズに接種できます。
・お子さんだけでなく、大人の方も予約を受け付けております。
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