ワクチンで百日咳を予防しよう!
- 2025年5月12日
- 感染症あれこれ
最近よく耳にする百日咳。
1か月の女児が亡くなったことがニュースで報道され、印象に残っている方も多いと思います。そこで今回のブログでは百日咳についてお話しします。
🌼百日咳感染は10歳前後が多い🌼
百日咳とは、百日咳菌に感染して発症する急性の呼吸器感染症です。感染すると約100日ほど咳が続くことから百日咳と言われています。
神奈川衛生研究所のデータによると、近年、百日咳に罹患する人が急増し、中でも7~14歳の小児の罹患が多いことがわかります。
★感染経路は飛沫と接触★
飛沫感染:咳やくしゃみで感染します
接触感染:手や物を介して感染します
感染力はかなり強く、1歳以下の乳児が感染すると重症化しやすいと言われています。肺炎や脳症を合併し、命にかかわる場合もあります。
🌼百日咳はワクチンで防げます🌼
百日咳はワクチンを接種することで予防することができます。
ワクチンを接種することで百日咳にかかるリスクを約80%減らすことができます。
※現在、日本では0‐1歳の間に定期接種する5種混合ワクチンに百日咳が含まれています。
★小学校入学前にワクチンの追加接種を★
百日咳に対して、0~1歳でワクチン接種していますが徐々に抗体価が低下するため、小学校に入学する頃には百日咳にかかりやすくなってしまいます。
日本小児科学会は、小学校入学前に三種混合ワクチン(DPT;百日咳、ジフテリア、破傷風)の接種をおすすめしています。
また、11歳からの定期接種になっている二種混合ワクチン(DT;ジフテリア、破傷風)ワクチンには百日咳が含まれていないため、DPTワクチンに変更して接種することも推奨されています。
🌼妊婦さんがワクチンを接種して赤ちゃんへの感染を予防🌼
妊娠中でもワクチン接種可能です!
生後2か月までは赤ちゃんはワクチン接種できないため、その間に百日咳に罹患する可能性があります。
百日咳のワクチンには、国内で承認されているDPTワクチン、海外で使用されているTdapワクチンの2種類があります。
・DPTワクチン
国内で承認されていますが、妊婦への使用頻度が少なく有効性、安全性は十分に検討されていません。
・Tdapワクチン
ジフテリアと百日咳の抗原量を減らしDPTワクチンより副作用が少ないのが特徴です。
当院では妊娠中の百日咳に対する予防接種として海外で接種が推奨されているTdapの接種をおすすめしています。
当院ではTdapの在庫もご用意しております。ご希望の方はお電話でお問い合わせください。
※妊婦さんで接種された方には育心会オリジナルの育児本「年齢別子育ての不安をなくす本」をプレゼントしています。
🌼まとめ🌼
百日咳は怖い病気ですが、ワクチンで防ぐことができる病気です。
小学生のお兄ちゃん・お姉ちゃん、そしてご両親もワクチン接種をしておくことで、まだワクチン接種ができない赤ちゃんの感染も防ぐことができます。
「接種したい!」、「接種した方がいいのかわからない」など心配なことがございましたら、お気軽にご相談ください。
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https://miyakawa-clinic.jp/price.html
【電話番号】
ワクチン健診エリア:044-455-7043
一般外来エリア:044-844-9058
<参考文献>
・神奈川県衛生研究所HP
https://www.pref.kanagawa.jp/sys/eiken/003_center/0006_disease/140318_pertussis_1.html
https://www.pref.kanagawa.jp/sys/eiken/003_center/0005_ryukou/pertussis/250507_pertussis_04.html
・日本産科婦人科学会HPより「女性を脅かす感染症」
https://www.jsog.or.jp/citizen/7042/
・日本小児科学会HPより「百日咳患者数の増加」
https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20250402_hyakunitizeki1.pdf