子どもは熱中症弱者!~予防と対応~
- 2024年6月28日
- 専門外来(アレルギー、おねしょなど)
夏になると熱中症のニュースをよく見かけるようになります。
小さなお子さんは温度調節がとても難しく、子供は「熱中症弱者」といわれています。
子供の重篤な熱中症による死亡率は15%程度ともいわれ、根本的な治療法がありません。
今回は、とくに小さなお子さんの熱中症対策についてご説明させていただきます。
大事なお子様を一緒に守りましょう😳
🌼熱中症とは?
・熱い環境に体が適応できず体温調節がうまくいかなくなること(高体温)
・汗をたくさんかくことで体内の水分や塩分のバランスが崩れること(脱水)
<症状>
めまい・失神(立ち眩み)・生あくび・大量の発汗・強い口渇感・筋肉痛・筋肉の硬直・頭痛・嘔吐・倦怠感・意識障害・痙攣・せん妄などさまざまな症状があります。
小さいお子さんでは症状がわかりにくく、風邪での発熱と区別がつかないことも多いです。
🌻対策・予防方法は?
《なるべく涼しい場所で・風通しの良い衣類を》
・長時間の抱っこひも、ベビーカー移動は注意しましょう。
赤ちゃんは熱がこもりやすいので、時々、涼しいところで風をあててあげましょう。
・衣服は薄手の服1枚でOkです。
ロンパースだけ、もしくはゆったりとして衿元や裾が開放している洋服にしましょう。
・こまめな水分摂取が大切です。
なるべく糖分と塩分が含まれている飲料水が好ましく、赤ちゃん用の経口補水液が特に適しています😉
《帽子は麦わら帽子がよいの?👒》
麦わら帽子は長く夏場の帽子として使用されています。
立体的に編まれており通気しながら紫外線も赤外線も防御できる優れものです。
麦わら帽子でなくても、帽子や服は白っぽいもののほうが、熱を吸収しにくいのでお勧めです!
🌷もし熱中症になってしまった場合
・涼しい場所に移動し、衣類を緩め安静に寝かせる!
・首の周り・脇の下・太ももの付け根など太い血管の部分をとにかく冷やす!
・対応に困ったときには、#8000に連絡!
★熱中症の時の注意事項★
アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの解熱剤は効果がありません。
肝機能障害や凝固障害を増悪させるリスクがあることから、熱中症に対しては使用するべきではありません😥
子どもは『熱中症弱者』です。
炎天下や屋外に限らず熱中症リスクがあることを充分に理解し、しっかりと予防対策をして大切なお子様を守っていきましょう💙
【参考文献】
薩本弥生:夏の衣類~乳幼児が快適な夏の服装~. チャイルドヘルス19: 590-595. 2016
田中大貴:熱中症の診断と治療. チャイルドヘルス26: 416-419. 2023