舌下免疫療法について~スギ花粉症治療~
- 2024年1月15日
- 専門外来(アレルギー、おねしょなど)
近年、花粉症の発症年齢が低年齢化し、こどもでも多く見られるようになってきました。
2024年のスギ花粉飛散予測によると、関東の花粉飛散量は昨年より少なくなる予想です。しかし、例年よりは多い予測になっており、万全の対策が必要になりそうです。
スギ花粉症の治療法として、舌下免疫療法という方法があります。
子供(5歳以上に推奨)も大人も保険適応のある治療法です。
毎年、花粉症のお薬を内服しても症状が辛い方、薬を内服するとぼーっとしやすいなどある方は、是非舌下免疫療法をお勧めいたします。
【舌下免疫療法とは?】
舌下免疫療法は、減感作療法とも呼ばれています。
スギ花粉を原料とするエキスから作られている薬を毎日服用することによって、スギ花粉に対して体を慣らし、スギ花粉によるアレルギー症状を和らげます。
舌下免疫療法は、長期にわたり症状を抑える可能性がある治療法です。症状を完全に抑えられなくても、症状を和らげ、アレルギー薬の使用量を減らすことも期待できます。
【内服方法】
薬はやわらかく、口の中に入れるとすぐに溶けてしまいます。
舌の下にお薬を置き、1分間保持したのち、飲み込みます。
内服後5分間は、うがいや飲食を避けるようにします。
はじめの1週間は少量から、2週目以降は増量し、以後3-4年間内服を継続します。
※内服の初回は、アレルギー症状の有無を確認するため医療機関で内服し30分経過観察します。
【子供でも治療できる?】
5歳以上のお子さんが治療対象となります。
うまく内服できるか心配の方は、お菓子のラムネなどで試してみてください。
お子さんだけでなく、ご家族も一緒に治療をされると、モチベーションが維持され長続きしやすくなるといわれています。当院では大人の方が一緒に治療していくことも可能です。
【治療開始時期について】
スギ花粉が飛散している時期に治療を開始することはできません。
治療開始を希望される方は、6月~12月中に治療を開始します。
当院では、治療を希望される方にパンフレットを用いて、治療開始前に実際の内服方法など指導させていただきます。
※花粉症に対する有効な治療方法の一つですので、お子さんもご家族の方も(大人の処方も行っています)、積極的に治療することをお勧めいたします。