【成長外来】思春期早発症について
- 2023年12月2日
- 専門外来(アレルギー、おねしょなど)
もう胸が膨らんできた・・
毛が生えてきたけど大丈夫・・?
生理ってこんなに早く来たっけ・・?
こんな悩みを抱えているお子さん、親御さんはいらっしゃいませんか?
今回は、思春期早発症についてお話します。
◎思春期って何?いつ頃来るの?
思春期は、こどもが成長して大人になっていく過程で、男の子は男性らしく、女の子は女性らしく変化する時期のことです。
通常、女の子は10歳頃、男の子は12歳頃から思春期の変化が出てきます。
◎思春期早発症って何?何が原因で起こるの?
言葉の通り、思春期が通常より早く出現する病気です。
思春期の変化が、通常2-3年以上早く出現します。
原因はわかっていません。生活習慣や食事が原因ではありません。
ただ、ごく一部のお子さんでは、脳腫瘍などが原因で発症することがあります。
男の子の場合、脳腫瘍が原因となる割合が増えると言われています。
◎思春期早発症で問題になることは?
他のお子さんよりも一時的には身長が良く伸びますが、早く成長が止まってしまい最終的には小柄になってしまう可能性があります。
また、幼い年齢で乳房が大きくなったり、毛が生えたり、生理が来てしまうことで、本人や周囲が戸惑うといった心理社会的な問題が起こることもあります。
◎どのように診断するの?
思春期早発症の主な症状です。
【男児】
・9歳までに精巣が大きくなる
・10歳までに陰毛が生える
・11歳までにわき毛やひげが生える、声変わりする
【女児】
・7歳6ヶ月までに乳房が大きくなり始める
・8歳までに陰毛やわき毛が生える
・10歳6ヶ月までに初潮を認める
その他、年齢不相応な身長の著しい伸びや、受診時の身長も参考にします。
当院では、思春期早発症が疑わしいお子さんは、まず血液検査をして「性腺ホルモン」の上昇があるかどうかを確認します。
また、手のレントゲンを撮って(撮影のみ、他院にご紹介させていただきます)、骨成熟の進行具合を確認し、診断を行います。
性腺ホルモンは、一度の血液検査だけでは値にばらつきが多いので、LHRH負荷試験を行うことも多いです。LHRHという、性腺ホルモンの分泌を促すお薬を点滴で投与して、性腺ホルモンの上昇があるかどうか確認します。
当院でも、一度の血液検査で診断ができなかったお子さんは、2時間半ほどお時間をいただき、外来でLHRH負荷試験を行うことで確定診断しています。
◎どんな治療があるの?
よくみられる「特発性中枢性思春期早発症」では、4週間に1回、LHRHアナログという薬をクリニックで注射し、思春期の進行をゆっくりにします。そうすることで、身長が伸びる時期をできるだけ長くして、極端に小柄にならないようにします。
また、思春期の進行に伴う心理社会的問題を防ぎます(生理があるお子さんは、生理を止めることができます)。
脳腫瘍など、思春期早発症の原因となる疾患がある場合(特発性中枢性思春期早発症ではない場合)には、その原因に対する治療を行う必要があるため、専門施設にご紹介します。
※思春期早発症(特発性)だとしても、治療が必要ない場合も多いです。
【当院の成長外来】
月・火・水 9:00~18:30
土 9:00~15:30
初診時は30分時間をとって、詳細に問診と診察を行います。
受診希望の方は、当院の予防接種・健診・専門外来エリア(044-455-7043)にお電話でご相談ください。
【受診時にご準備ください】
・母子手帳
・これまでの成長(身長、体重の推移)がわかる記録
・ご両親の思春期発来の時期の確認
(お母さんの初潮の年齢、お父さんの身長が一番伸びた年齢)
【治療までの流れ】
初診 (丁寧に問診と診察を行います)
↓
血液検査、手のレントゲン
(必要であれば、LHRH負荷試験)
↓
確定診断後に治療開始
(4週間毎に受診)
当院では、内分泌専門医の女性医師が担当するので、女の子も安心して受診していただけます!
もしかしたら、うちの子思春期早発症かもしれない、身長低めだから思春期が早く来たら心配・・・といった方は、ぜひ一度成長外来にご相談ください!
【参考】
成長外来担当 樋口アカリ