4/9は『子宮頸がんを予防する日・子宮の日』
- 2023年4月4日
- 感染症あれこれ
4月9日は『子宮頸がんを予防する日・子宮の日』です。女性にとって結婚や出産など大きなライフイベントを迎える時期に発症しやすい子宮頚がんを予防する為に、今出来る事を考えてみましょう。
【子宮頸がん】
子宮の入り口にできる「がん」です。
女性のがんの中で乳がんの次に多いです。
★原因★
90%以上は、性交渉でヒトパピローマウイルス(以下、HPV)に感染し発症します。
★症状★
初期はほとんど症状がなく、時に生理以外の出血やおりものの増加などがあります。
進行すると、下腹部痛や腰の痛みさらに血尿が出たりします。
★治療★
初期の段階では、子宮の入口の粘膜から一部を切除します。進行すると、子宮全てを摘出したり、子宮のまわりのリンパ節等含めた広範囲の組織を摘出する必要があります。
★術後の後遺症★
手術すると、流産や早産、帝王切開のリスクが高まり、妊娠できなくなることもあります。
リンパの浮腫や排尿障害がでることもあります。
★予防方法★
定期検診とワクチン接種が重要です。
★子宮頸がん検診★
検査で早期発見、早期治療すれば、90%以上治癒すると言われています。その為、20歳以上の女性は2年に1度定期的に検診を受け検査をする事が推奨されています。
【HPVワクチン接種】
ワクチンの効果が最も高いのは“初めての性交渉前“とされています。
(公費対象年齢は小学6年生〜高校1年生まで)
※性交渉の経験があってもワクチンによる感染予防は期待できます。性交渉の経験がある方は、既にいずれかのHPVに感染している可能性があります。ですが、ワクチンでカバーできる全ての種類のHPVに感染しているとは言えません。
★キャッチアップ制度★
HPVワクチンの接種をお勧めする取り組みが差し控えられていた間に定期接種の時期を逃した方が対象の制度で、公費でワクチンを接種することができます。
接種対象年齢:
H9年度 – H18年度生まれの方
(1997年4月2日 – 2007年4月1日生)
接種対象期間:
2022年4月 – 2025年3月まで
★HPVワクチンの主な副反応★
注射部位の痛み 約90%
注射部位の腫れ 約39%
注射部位の発赤 約34%
★3種類のHPVワクチンの違い★
サーバリックス(2価):16型、18型
ガーダシル(4価):6型、11型、16型、18型
シルガード9(9価):6型、11型、16型、18型、31型、33型、45型、52型、58型
シルガード9:子宮頸がんの原因の80~90%のHPV型をカバーします。
サーバリックス・ガーダシル:子宮頸がんの原因の50~70%のHPV型をカバーします。
※2023年4月1日より、子宮頸がんワクチンのシルガード9が公費適用になりました。シルガード9で5つのHPV型が加わり、幅広いHPV型の感染予防が期待できます。
★HPVワクチンスケジュール★
9歳以上15歳未満:2回接種
1回目から2回目の間隔は6か月以上あけます。
15歳以上:3回接種
1回目から2回目の間隔は2か月、1回目から3回目の間隔は6か月以上あけます。
HPVワクチンは子宮頸がんを100%予防できるわけではありません。
ワクチン接種する際は色々と抵抗があるかと思います。
ワクチン接種の効果とリスクを個人個人が把握し、今出来る事を考え、10年後20年後の自分自身の未来や身体を守る為に、積極的に行動していきましょう。
【参考文献】
・https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/index.html 厚生労働省 ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~
・https://kufura.jp/beauty_health/woman-body/241507 Kufura 子育て世代の「暮らしのくふう」を支えるWEBメディア