RSウイルスワクチンで赤ちゃんを守りましょう!
- 2024年6月4日
- 感染症あれこれ
2024年5月31日、RSウイルスに対する母子免疫ワクチン「アブリスボ」が発売されました。
妊婦さんにこのワクチンを接種することで、生まれてくる赤ちゃんをRSウイルスから守ることができます。
現在、赤ちゃんに直接接種するタイプのRSウイルスワクチンはなく、日本小児科学会や日本産科婦人科学会も、RSウイルス感染の重症化予防としてアブリスボに期待を寄せています。
そもそもRSウイルスとは
RSウイルスは、2歳までにほとんどの子どもが感染するといわれるほど、感染力が強いウイルスです。今までは、主に冬に流行していましたが、最近では春や夏に多くみられます。
主な症状は、38~39℃の発熱・鼻汁・咳でぜーぜー(喘鳴)することも多く、生後6か月未満の赤ちゃんが感染すると重症化するといわれています。
☆ぜーぜーって、どんな感じ?
「呼吸が苦しい」と訴えることができない赤ちゃんの、異常な呼吸を見抜くのは難しいですよね。育心会のブログで、こどもの呼吸についてわかりやすく記載されていますので、ぜひご覧ください。
子供の「呼吸が苦しい」を見抜く!- 「育心会」のコラム (med-ikushinkai.com)
2歳未満でRSウイルス感染症と診断された全体のおよそ1/4が入院を必要とすると推定されていますが、特効薬はありません。
入院する子どもは基礎疾患をもたない場合も多く、入院発生数は生後1~2か月がピークとなるため、生後早期からの予防が必要です。
アブリスボ(RSウイルスワクチン)
妊婦さんに接種することで、母体のRSウイルスに対する中和抗体を高めます。それが胎児に移行し、生まれてくる赤ちゃんのRSウイルスを原因とする下気道疾患(細気管支炎や肺炎)を予防します。
RSウイルスによる重症下気道疾患の予防効果は、生後90日で81.8%といわれ、生後6か月までの有効性が確立されています。
<対象>
妊娠24~36週の妊婦さん
※主に28~36週の間に接種することが望ましいとされています。
※接種後14日以内に出産した場合の有効性は確立していません。
<用法及び用量>
1回0.5mlを筋肉内に注射します。
<副作用>
アブリスボ接種による発赤や疼痛といった局所反応を認めることがありますが、早産の増加や新生児の異常の増加は報告されていません。
★接種を検討されている方、話だけでも聞いてみたい方など、当院までお気軽にお問い合わせください。
【出展】
・日本小児科学会の考え方
20240221_RWvirus_kangae.pdf (jpeds.or.jp)
・日本産科婦人科学会の考え方
534a31afbba15ef95446dcd0d46f869e.pdf (jaog.or.jp)
・RSウイルスワクチン『アブリスボ®筋注用』発売~新生児および乳児、60歳以上のRSウイルス感染症をともに予防するワクチン~ | pfizer.co.jp Press Releases