【成長外来】低身長について②
- 2024年7月22日
- 専門外来(アレルギー、おねしょなど)
夏休みはいかがお過ごしですか?
今回は、低身長パート2として、低身長の検査と治療についてご説明します。
前回(2024年4月)のブログでは、低身長の定義や原因についてご説明させていただきました。合わせてご覧ください。
低身長の定義に当てはまる、身長が-2SDを下回るお子様に対しては、以下をご家族、ご本人と相談の上行います。
①診察
身長、体重の測定はもちろんのこと、前回お話させていただいた、ターナー症候群のような基礎疾患を疑う所見がないか診察します。
また、思春期前後のお子さんには、二次性徴の進行状況も確認します。
②血液検査
背を伸ばすために必要な成長ホルモンや、思春期前後のお子さんであれば、二次性徴に必要な性腺ホルモンが出ているかどうか確認します。
また、代謝に関連する甲状腺ホルモンも、不足すると身長が伸びないことがあるので測定します。
③手のレントゲン
手のレントゲンを撮ることで骨年齢を知ることができます。
骨をみることで骨の成熟度がわかり、何歳相当であるかを判断できます。年齢の割には成長が早かったり、遅かったりすることがあるので骨年齢を知ることが大切です。
当院ではレントゲン設備がないため、近隣の整形外科へご紹介させていただきます。
①~③を行った上で、成長ホルモン分泌不全症(成長ホルモンの分泌量が少ない病気)を疑う場合は、以下を行います。
④成長ホルモン分泌刺激試験(負荷試験)
検査は外来で行うことができます(検査する病院によって検査時間が異なる場合があります)。
点滴あるいは飲み薬で、成長ホルモンの分泌を促すお薬を投与し、時間を決めて採血を行います。採血では、成長ホルモンがどれくらい上がっているかを測定します。
身長が-2SD以下でかつ、2種類以上の成長ホルモン分泌刺激試験で成長ホルモンの分泌が低いと判断した場合、成長ホルモン治療を行います。
★成長ホルモン治療★
成長ホルモン治療は注射の治療になります(飲み薬はありません)。
週1回あるいは週7回(使用する薬によって投与回数が変わります)、ご自宅で注射を行うことが多いです。
注射の方法はご自宅でできるよう、個別に丁寧にご指導いたしますので、ご安心ください。
※治療中も成長の進行状況や副作用がないかどうか確認するために、血液検査や手のレントゲンを定期的に行います。
成長についてお悩みであれば、是非この夏休みを利用して、成長外来へご相談ください!受診希望の方は、当院の予防接種・健診・専門外来エリア(044-455-7043)にお電話でご相談ください。
【当院の成長外来】
月・火・水 9:00-18:30
土 9:00-15:30
※初診時は30分時間をとって、詳細に問診と診察を行います。
【受診時にご準備ください】
・母子手帳
・これまでの成長(身長、体重の推移)がわかる記録
【参考】
日本内分泌学会 間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドラ
イン2023年度版(厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業. 間脳下垂体機
能障害に関する調査研究班)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/endocrine/99/S.July/99_1/_pdf
成長外来担当 樋口アカリ